授乳中にロキソニンを服用してもいい?
授乳中にロキソニンを服用する際の注意点は?
授乳中の頭痛を予防する対処法は?
授乳中にロキソニン(成分名:ロキソプロフェン、以下文中ロキソプロフェンとして記載)などの鎮痛剤を服用してもいいのか、迷うことはありませんか。
妊娠中は飲めない薬が多かったのに、産後はどうなのか気になりますよね。
そこで、本記事では薬剤師である筆者が以下の内容を解説します。
- 授乳中にロキソニンを服用してもいい理由
- 授乳中にロキソニンを服用する際の注意点と飲むタイミング
- 病院でよく処方される鎮痛剤は何か?市販薬でも買えるものを紹介
- 授乳中の頭痛を予防する対処法
この記事を見れば、授乳中にロキソプロフェンを服用していいかがわかり、うまく対処できるでしょう。
ぜひ参考にしてみてください。
授乳中にロキソニンを服用してもいい理由
ロキソプロフェンは母乳に移行しますが、微量なので影響は少ないとされています。
母乳への移行がどのくらいかで、服用していいかを判断します。
相対的乳児薬物投与量(relative infant dose:RID)は、薬物投与量を母と子の体重で標準化して評価する指標です。RID10%未満であれば、一般的に安全とみなされます。
ロキソプロフェンはRID1%以下なので、影響することはないとされています。
授乳中にロキソニンを服用する際の注意点と飲むタイミング
ロキソニンを服用する際に気をつけるポイントを説明します。
- 授乳中にロキソニンを服用する際の注意点
- 授乳中にロキソニンを服用する際の飲むタイミング
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.授乳中にロキソニンを服用する際の注意点
授乳中にかかわらず、正しい服用方法を守ることが大前提です。必ず記載してある用法用量は確認してください。
ロキソプロフェンを服用する際の主な注意点は以下の3つです。
- 漫然と服用しない:痛い時だけ服用する
- 市販薬を買うときは単剤のロキソニンS :ロキソプロフェンはシリーズがあるので注意
- 胃の調子が悪くなったりアレルギーがある場合は中止:乳幼児から飲める成分アセトアミノフェンにする
市販薬は、週に1-2回程度までにし、週3-4日以上続くときは受診しましょう。
2.授乳中にロキソニンを服用する際の飲むタイミング
前述のように、ロキソニンの成分であるロキソプロフェンの母乳への移行はわずかです。
実際に病院で処方されるときも、細かい指示を出されることはほとんどありません。とはいえ、新生児(生後約1ヶ月)のときなどは服用することが気になりますよね。
上記のグラフは投与後時間どのくらいでピークになり、効果が弱まっていくかを示しています。
グラフを参考に、影響を抑えて服用するタイミングのポイントは3つあります。
- 薬を服用する前に授乳をする:ロキソプロフェンの効き目ピークは服用後約45分くらい
- 薬を服用後2-3時間あけて授乳:服用後45分をピークに2-3時間で効き目が消えていく
- さらに心配な場合は搾乳をしてから服用:薬は7時間あければほぼ体内から消失
薬がどのくらいの時間で体に影響を与えるかがわかれば、安心できますよね。授乳の時間を気にしたくないなら、ロキソプロフェンよりマイルドな効き目のカロナール(成分名:アセトアミノフェン)がいいでしょう。
病院でよく処方される鎮痛剤は何?市販薬でも買えるものを紹介
病院でよく処方される薬と、同じ成分の市販薬を紹介します。
- 病院でよく処方される薬
- 市販薬で買える病院と同じ成分のもの
病院に行きたいけど、どうしてもいけないときに選ぶ参考にしてみてください。
1.病院でよく処方される薬
病院で処方されるのはほとんどアセトアミノフェンかロキソプロフェンです。
痛みに効く強さ:ロキソプロフェン>アセトアミノフェン
まずは乳幼児から服用できるアセトアミノフェンを、痛いときだけの頓服で処方されることが多いです。
アセトアミノフェンが効かない、さらに痛みが強い方はロキソプロフェンが処方されます。
2.市販薬で買える病院と同じ成分のもの
病院でよく処方されるアセトアミノフェンやロキソプロフェンの市販薬名を紹介します。
成分名 | 主な商品名 |
アセトアミノフェン | アセトアミノフェン錠 タイレノール バファリンルナJ |
ロキソプロフェン | ロキソニンS(医療用と同量) |
参照:タイレノールジャパン「タイレノール®︎」
参照:バファリン「バファリンルナJ」
参照:第一三共ヘルスケア「ロキソニンS」
どの商品がお店にあるかわからないときは、成分名を伝えるとあるものを教えてくれます。
薬剤師や登録販売者に聞いてみてくださいね。
授乳中の頭痛を予防する対処法
授乳中の鎮痛剤の飲み方を解説してきましたが、飲まないに越したことはないです。産後の頭痛の原因を知り、薬に頼らず対処できると良いですね。
授乳中に頭痛が起きる原因はいくつかありますが、主に以下のような理由があげられます。
- ホルモンの変化:出産後にエストロゲンなどのホルモンの急激な変動が頭痛を引き起こすことがある
- 睡眠不足:夜間も頻繁に授乳が必要なため、十分な睡眠を取りにくくなる。睡眠不足は体の疲労を引き起こしそれが頭痛を誘発する
- 授乳中の姿勢:長時間同じ姿勢では首や肩の筋肉に負担をかけ、頭痛を引き起こしやすい
- 脱水症状:授乳中は体の水分が赤ちゃんに移行するため、母親が脱水症状になりやすい
これらの原因の対処法は
- 適切な休息:休めるときは休む!
- 授乳姿勢をこまめにかえる:左右5分ずつ授乳をしたり長時間同じ姿勢を取らない
- 十分な水分補給:授乳の回数が多い時期はとくにしっかり水分をとる
参照:pigeon.info
頭痛が継続する場合や、吐き気など他の症状もある場合は、受診しましょう。
まとめ
授乳中の鎮痛剤使用は効果や副作用、赤ちゃんへの影響を理解することが大切です。鎮痛剤を服用するときに迷ったときは、見直して活用してくださいね。