「子どもが1歳半になったのに、どうしてまだこんなにつらいの?」「産後うつはもう治るはずなのに」そんな気持ちを抱えていませんか。
赤ちゃんが産まれてから1年半。わが子の成長を見守りながら、産後うつがなかなか治らずに自分の心はずっと重たいままというママは決して少なくありません。
この記事では、1歳半になってもなお続く産後うつの症状や理由、対処法についてお伝えします。
1歳半でも産後うつが治らないのはおかしい?
産後うつは、一般的に「産後3か月ごろまでに出るもの」「数カ月で改善する」と言われることが多いために、それを過ぎても不調が続くと「こんなに長引くなんて自分だけ…?」と不安になるママもいます。
けれど実際には、産後1年を過ぎても気分が沈んだままという方は少なくありません。長引く産後うつはこれまで「無理をしてがんばってきた証」かもしれません。
育児の大変さに気づきながらも、ずっと「大丈夫」「がんばらなきゃ」と踏ん張ってきたママほど、知らず知らずのうちに限界を超えてしまっていることもあります。
「なかなか治らない」のではなく、「自分のことを後回しにして、うつに気づかずにがんばり続けてしまった」可能性もあるのです。
1歳半のママに見られる産後うつの症状
産後うつに気づいていないママもいます。
たとえば最近、こんなことで困っていませんか?
- 朝から気分が重く、何をしても楽しくない
- 子どもに笑顔を向ける余裕がない
- ごはんを作る気力もわかない
- なんとなく涙が出る
- 夫や周囲と話すのも面倒に感じる
こうしたサインが2週間以上続いている場合は、心が疲れている証拠かもしれません。
1歳半ごろは、子どもが動き出し意思も伝えられるようになる時期です。同時に「うちの子は成長が遅い気がする」「食事を食べてくれない」など、新たな悩みやプレッシャーを感じるママが出てくる時期でもあります。
1歳半になっても産後うつが続く理由
どうして1歳半なのに産後うつが続いているのか、不安に思うママは少なくありません。
産後うつではないと思い込んでいた
産後うつは産後3か月以内になることが多いと言われています。しかし、産後9か月や1年で産後うつになるママもいます。
「なんか最近調子が悪いけれど慢性疲労のせい」と思い込んでいると、受診の機会を逃しがちです。
早い段階で病院を受診しそびれた
産後うつは早い段階で受診し、適切な支援を受ければ回復までの期間が早くなります。それでも、回復までに1年近くかかるママもいます。[1]
「気のせいかも」「私は産後うつではないはず」などと思い、病院の受診を先延ばしすれば、回復までの時間が長期化する可能性が高まります。
つらい気持ちが続くときの対処法
「産後うつかどうかわからない」そんな時期はとてもモヤモヤしますよね。ここでは、つらい気持ちが続くときの対処法を4つ紹介します。
セルフチェックで気持ちを「見える化」する
「今どれくらい疲れてるんだろう?」と不安なあなたは、「エジンバラ産後うつ質問票」[2]を活用してみましょう。スマホからでも気軽にチェックできます。
自分の状態を数値で見てみることで、「やっぱり私はつらかったんだ」と気づけることもあります。
誰かと話す
パートナーや友達、ママ友などに思ったことを話すだけで心が軽くなることもあります。また、身近な人以外にもさまざまな相談先があります。
- 地域の保健師
- 小児科の先生
- 子育て支援センターのスタッフ
- オンライン相談窓口
不安な気持ちは、話すことで整理されることも多いもの。お喋りが苦手な人はLINE相談なども検討してみましょう。
無理せずに手放せるものを見つける
子どもを育てる生活は体力も気力も必要です。
「疲れているな」と感じたら、手放せるものを見つけるのも1つの方法です。主な対処法には下記があります。
- 家事は「最低限」でOK
- 総菜や冷凍食品を使う
- 夫に「つらい」「今日は代わってほしい」と伝える
- 子どもを一時保育に預けて自分の時間をつくる
責任感のあるママほど「完ぺきにやらなきゃ」と思いがち。がんばり続けて疲れきってしまう前に、できるだけ心と体にやさしい選択をしてみてくださいね。
専門家の力を借りる
精神科・心療内科・産婦人科では、授乳中でも使える薬やカウンセリングの提案をしてもらえます。
不安がある人や不調が2週間以上続いている人は、ぜひ一度医療機関などの専門家に相談してみましょう。
1歳半で産後うつが続いているのはがんばりすぎのサインかも
出産から1年半が過ぎた今、「もう回復していい頃なのに」「まだつらいなんておかしい」と、自分を責めてしまっていませんか。
産後うつから回復するには時間だけでなく、十分な休養も必要です。
また、産後うつからの回復期間は人それぞれ。「まだつらい」と感じているなら、その気持ちを受け止めるところから始めてみましょう。
参考資料
[1]公益社団法人日本精神神経学会
https://www.jspn.or.jp/guide/faq/07.php
[2]エジンバラ産後うつ質問票