「赤ちゃんが生まれたのに、なんだか心が重い」「パパに相談したら『気のせいじゃない?』と言われて余計につらくなった」そんな風に感じていませんか?
産後うつになったときにパパの理解が得られないと、さらに追い詰められてしまうこともありますよね。
この記事では、パパの理解が得られないときの対処法や乗り越え方についてお伝えします。
産後うつとは?ママの心と体に起きる変化
出産後はホルモンバランスが大きく変化し、体も心も揺らぎやすい状態です。
体の疲れが取れる前から慣れない育児が始まります。授乳や夜泣きの対応で睡眠不足などが重なり、気分の落ち込みやイライラ、不安感などが強く出るママは少なくありません。
このような状態が2週間以上続き、日常生活に支障をきたすような状態になると「産後うつ」と診断されることがあります。
産後うつは10人に1人のママが経験する身近な不調で、決して特別なものではありません。[1]
発症のピークは産後2週間~3か月ごろといわれますが、9ヶ月後や1年後に突然落ち込む方もいます。
産後うつの主な要因
産後うつの原因はひとつではありません。いくつもの要因が重なり、心のバランスを崩してしまう人も多いのです。
ここでは、代表的な要因を4つ紹介します。
ホルモンバランスの急激な変化
出産によるエストロゲンやプロゲステロンの減少により、情緒が不安定になりがちです。
慢性的な睡眠不足と身体的疲労
夜間授乳や赤ちゃんの世話で休めない日々が続くため、心と体が限界に近づくこともあります。
孤独感・不安・責任感などの重圧
ママが一人きりで育児を担っているような感覚に陥ると、自尊心や安心感が揺らいで不安になりがちです。自分から「助けて」と言えない責任感の強い人ほど抱え込みやすい傾向があります。
夫の理解とサポート不足
身近な人からの思いやりのない言動や非協力的な態度が、ママの心に深い孤立感を生むことがあります。
「こっちは仕事で疲れてるんだよ」
「ずっと家にいるんだから、ゆっくりできるでしょ?」
そんなパパの言葉に傷ついた方も多いのではないでしょうか。また、育児はママの仕事だと決めつけている場合、サポートを頼みづらくなり1人で抱え込むことになります。
産後うつに理解のない夫に悩んだときの対処法
自分の心と体が弱っているときに、パパの理解が得られない状態はつらいですよね。ここでは、そんなママの気持ちを少しでも和らげるための対処法を4つ紹介します。
今の自分を受け入れる
「こんなことで泣くなんて」「もっと頑張らなきゃ」など、自分を責めていませんか?
がんばっているのに心が苦しいときは、まず「つらいね」と自分の今の気持ちを素直に認めてみましょう。
できないことを考えて自分を責めると余計つらくなります。
今の自分を受け入れて、できる限り休む時間を増やしましょう。
夫以外の誰かに話してみる
気持ちを話すだけで心が少しラクになることもあります。
実母やママ友、自治体の育児相談員、SNSでつながる同じ境遇のママなどに自分の気持ちを話してみませんか。
同じように産後うつを経験した人と話せると、「私だけじゃなかった」と安心できることもありますよ。
病院に相談する
心療内科や産婦人科では、産後の心の不調について相談できます。
「うつっぽいかも」と思ったら、早めの相談で回復も早くなることが多いです。治療やカウンセリングで、気持ちがぐっとラクになる人もたくさんいますよ。
産後うつの理解がない夫への向き合い方
パパに対して「なんでわかってくれないの?」と感じることもありますよね。実は、パパの知識不足という可能性もあります。[2]
産後うつのことを知らずに、「疲れてるだけでしょ」「気の持ちようだよ」と言ってしまうパパも。
実際に、産後うつが病気であることを説明すると、初めて真剣に話を聞いてくれたというママの声もあります。
また、夫婦の話し合いがうまくいかないときは伝え方を見直してみるのもおすすめです。感情だけをぶつけるよりも事実を話す方が相手に届きやすくなります。
たとえば、次のような伝え方はどうでしょうか。
「今日は夜中に3回起きて、ほとんど眠れてないの」
「誰とも話せないから、気持ちが落ち込んでいるのかも」
すぐに変わるのは難しくても、少しずつ事実を伝えることがパパの理解につながることもありますよ。
夫の理解は産後うつを乗り越える助けになります
産後うつを乗り越えるには、一定の時間や休息が欠かせません。忙しい子育てのなかでママが少しでも休むためには、パパの理解や協力が大切です。
感情的にならずに、少しずつ会話を重ねることで互いの理解が深まるでしょう。でも、十分に頑張っているママにはそんな余裕がないこともありますよね。
夫婦だけで乗り越えるのが難しいときは、無理をせず周囲を頼りながら進んでいってくださいね。
参考資料
[1]公益社団法人日本産婦人科医会
https://www.jaog.or.jp/qa/confinement/jyosei200311/
[2]東京新聞│子どもとの日々を支える東京すくすく