よく耳にする「自律神経」、どんな働きをしているかご存知ですか?
子育て中のイライラや不安感、なかなか抜けない疲れも、もしかしたら自律神経が関係しているかもしれません。
今回は、身体と心を整える大切な役割を担う「自律神経」と「自律神経の整え方」を2つの記事に分けて詳しく解説します。
自律神経についての理解を深めておくことで、子育て中のイライラ解消のヒントにもなるかもしれません。
自律神経とは
自律神経とは、呼吸、血流、消化吸収、体温調節などに関わる神経です。
自分の意思とは無関係に動く(自律して動く)ことから、自律神経と呼ばれています。
自律神経は、交感神経と副交感神経に細分化できます。
ここでは自律神経である交感神経と副交感神経の役割についてご紹介します。
交感神経
交感神経とは、体を活発にさせる役割を担う神経です。
例えば、胸がどきどきしたり、呼吸が早くなったり、汗をかいたりするのも交感神経によるものです。交感神経が活発になると腸の動きがゆっくりとなったり、膀胱に尿を貯める役割から排尿間隔があいたりします。
交感神経はストレスが加わることで活発となります。ストレスとは悪いストレスだけでなく、良いストレスも交感神経に作用します。
例えばイベントやテーマパークに行木、ワクワクしてテンションが高くなるのも交感神経の作用によるものと考えられるでしょう。
副交感神経
副交感神経とは交感神経と真逆で、休んでいるときに優位になる神経です。リラックスしているときや寝ているときは副交感神経が優位となります。
体を休ませるための神経と考えるとわかりやすいでしょう。
副交感神経が優位になると心拍数が落ち着いたり、血圧が下がったりします。また、腸の動きが活発となり、膀胱も収縮します。
リラックスしているときにトイレに頻繁に行きたくなるのも副交感神経の作用によるものです。
参照:
・自律神経失調症(e-ヘルスネット)
・自律神経系の概要(MSDマニュアル家庭版)
自律神経が乱れる理由とは?
自律神経の働きについて理解できたところで、自律神経が乱れてしまう理由について解説します。
強いストレスを受けたり、ストレスを受け続けたとき
ストレスを受けると交感神経が優位になりますが、優位な状態がずっと続くわけではありません。
ストレスを受けたとしても身体は適切なタイミングで副交感神経にスイッチを切り替えます。
例えば、子どもの検診やイベントに行った帰りにどっと疲れが出るのは、検診やイベントというストレスを受けて優位になっていた交感神経が副交感神経に切り替わるからです。
しかし、強いストレスを受けたときや、ストレスが長期化すると、交感神経が副交感神経に切り替わるタイミングを失い、自律神経のバランスが乱れてしまいます。
そのため、夫婦喧嘩が長引いている、育児でストレスが溜まっている、職場の人間関係が悪い、職場の上司や義父母から嫌味を言われ続けるなどのような継続したストレスは、自律神経を乱すきっかけとなるでしょう。
生活習慣の乱れ
前述したように交感神経は昼間に活発となり、副交感神経は夜間就寝中に活発となります。
ですが、生活習慣が乱れて不規則な生活になると、交感神経と副交感神経がうまく切り替わりません。
交感神経と副交感神経のバランスを保つために特に重視したいのが睡眠です。
例えば、朝起きても疲れやだるさが取れていない、やる気が出ないという場合には、夜間に副交感神経への切り替えが上手くいっていない可能性も考えられます。
子どもの夜泣きや夜間授乳で夜中も起きている、子どもが気になって十分に眠れていないという日々が続いている方も、自律神経が乱れているかもしれません。
あなたの自律神経は大丈夫?セルフチェック!
自律神経が乱れているかもしれないと思っても、自分で判断するのは難しいものです。
下記にセルフチェック表を作成しました。「もしかして?」と思う方はぜひチェックしてみてください。
思い当たるものが多ければ多いほど自律神経が乱れているというサインと考えられます。
- 疲れやすい
- やる気が出ない
- 頭痛、めまい、立ちくらみ、動悸などが起こる
- 気分が乗らない、毎日がつまらない
- 肩こりや腰痛がある
- 理由もなくイライラする
- 集中力が低下している
- 物忘れが増えている
- 便秘や下痢ぎみでなおかつ繰り返している
- 緊張しやすい
- 常に不安を抱えている
- ストレスがたまりやすく発散できない
- 肌荒れが続く
- 眠れない
- 手足が冷たく感じる
- いくら寝ても疲れがとれない
- 朝すっきり起きられない
自律神経が乱れるとどうなる?
自律神経である交感神経と副交感神経のバランスが崩れると「自律神経失調症」となります。
自律神経失調症になると、心と身体にさまざまな症状が出てきます。
身体に出る不調
自律神経失調症になると体には次のような症状が出てきます。
- 倦怠感(だるさ)
- 眠れない
- 疲れがとれにくくなる
- 頭痛
- 動悸
- 息切れ
- めまいや立ちくらみ
- のぼせ
- 下痢や便秘
これ以外にもさまざま症状が見られ、出る症状やその程度には個人差があります。
心に出る不調
心に出る不調、いわゆる精神的な不調としては次のような症状が見られます。
- 情緒不安定
- イライラ
- 不安
- うつっぽい
身体的な不調と同様に心に出る不調も、必ずしも出るわけではなく、症状の発現や程度にも個人差がみられます。
まとめ
自律神経が乱れると心や体に不調をきたしてしまいます。
育児中は自分の思い通りにいかず大変なことも多くありますが、ひとたび体調を崩すことでさらに心身共に症状が悪化することもあるでしょう。
自律神経によるさまざまな症状を出さないためには自律神経を整えることが大切です。次回は、子育て中でもできる自律神経の整え方をご紹介します。