近年、積極的に育児参加する父親が増えていますが、仕事と家庭の両立に疲れている方も多いのではないでしょうか。疲れを放置すると心身に悪影響を及ぼすため、早めの対処が必要です。
本記事では、父親が子育てに疲れる原因や対処法、放置するリスクについて解説します。
父親が子育てに疲れる原因
父親が子育てに疲れる原因は、大きく2つあります。
・慣れない育児で戸惑うことが多いから
・仕事と家庭でキャパオーバーだから
慣れない育児で戸惑うことが多いから
育児は、多くの父親にとって初めての経験が多く、戸惑うことも少なくありません。
現在、子育て情報は本やインターネットで簡単に入手できますが、実際の育児は想定外のことの連続です。本やサイトのやり方を試しても子どもが泣きやまず、夜泣きで父親の寝不足が続くこともあるでしょう。
いくらわが子がかわいくても、うまくいかないことが続くと父親の不安やストレスが増大し、心身の疲れにつながります。
仕事と家庭でキャパオーバーだから
仕事と家庭でキャパオーバーになることも、父親が子育てに疲れる大きな要因です。
特に出産直後の母親は心身が回復途上にあり、父親が育児や家事をカバーすることになりがちです。ただし、多くの場合仕事があるため、出勤前や帰宅後にこなすことになります。
その結果、父親は十分に休めず次第に疲れてしまいます。
また、父親に対する公的な育児支援が不十分なことも、育児疲れの一因となっているでしょう。
父親が子育てに疲れたときの対処法
父親が子育てに疲れたときの対処法を解説します。
・家事代行・ベビーシッター・一時預かりを活用する
・育児休業を取得する
・自治体の相談窓口を利用する
・完璧な父親を目指さない
家事代行・ベビーシッター・一時預かりを活用する
家事代行やベビーシッター、保育園の一時預かりの活用は、父親が心身の負担を減らす上でとても効果的です。
家事代行では掃除・料理・洗濯などを頼めるので、父親は貴重な体力を温存できます。また、ベビーシッターや一時預かりは両親に代わって子どもを見てくれるため、安心して息抜きできるでしょう。
費用はかかりますが、これらのサービスの活用で、父親は休む時間を作れるようになります。
育児休業を取得する
仕事と家庭の両立に負担を感じる父親は、育児休業を取得することで育児に専念でき、息抜きの時間も取りやすくなります。
取得にあたっては「上司に反対されそう」「同僚や顧客に迷惑がかかる」と不安になるかもしれません。しかし、育児休業は原則として子どもが1歳になるまで利用できる、法律で定められた権利です。
なお、育児休業を取得できるまでには時間がかかるため、申し出は早めに行いましょう。
自治体の相談窓口を利用する
育児の悩みがある父親は、自治体の子育て相談窓口を利用しましょう。
父親への育児支援はまだ不十分で、実際の窓口利用も母親が多いため、相談しにくく感じる男性も多いかもしれません。
それでも、悩みを専門の職員に話すと、ストレスを発散でき問題解決の糸口が見つかる可能性があります。また、育児に役立つサービスや制度を案内してもらえることもあり、父親の負担軽減につなげることも可能です。
基本的に窓口は平日日中しか利用できませんが、時間を作れる場合はぜひ活用してみましょう。
完璧な父親を目指さない
完璧を目指そうとすると、父親が自分自身を追い詰める原因になります。
世間が称賛するイクメン像にとらわれず、無理なく育児できるスタイルを見つけることが重要です。時に失敗しても、それをバネに工夫することで父親として成長できるでしょう。
父親が育児疲れを放置するとどうなるか
父親が育児疲れを放っておくと、育児うつになるリスクがあります。
国立成育医療研究センター研究所の調査によると、産後1年間に「メンタルヘルスの不調のリスクあり」と判定された父親の割合は11.0%でした。この数値は母親の場合(10.8%)と同水準で、父親の不調が決して珍しくないことが分かります。
「何をしても楽しめない」「気力が出ない」などの不調が2週間続く場合、早めに精神科を受診しましょう。
育児うつについては、下記の記事で詳しく解説しています。
(内部リンク)パパも育児うつになる!男性の育児うつの症状やサポート方法を解説
参考:産後、同時期にメンタルヘルスの不調で苦しんでいる夫婦は年間約3万組!?~母子だけでなく、父親も含め世帯単位での支援やアセスメントが必要~ | 国立成育医療研究センター
父親も子育てに疲れたら早めに対処しよう!
慣れない子育ては、父親の心身に大きな負担がかかり、疲れる原因となります。
「ママが一番大変だから」と無理してしまいがちですが、決して父親1人で抱えこまないでください。疲れを放置すると、育児うつになるリスクもあります。
子育てに疲れたら、育児休業や相談窓口、民間サービスの活用で早めに対処しましょう。