赤ちゃんに湿疹ができたのはなぜ?
乳児湿疹の原因はなぜ?
乳児湿疹のケアはどうすればいい?
産後しばらくしてから、赤ちゃんにニキビのような赤い湿疹や鱗のような黄色いかさぶたなどができたという方はいませんか。
薬剤師である筆者が以下の内容で解説していきます。
- そもそも乳児湿疹とは?
- 乳児湿疹の主な原因と症状
- 家でできる乳児湿疹のケア方法
ぜひこの記事を参考に乳児湿疹を理解し、日々のケアに役立ててくださいね。
そもそも乳児湿疹とは?
乳児湿疹とは、生後2週間くらいから乳児期(生後約1年)にできる湿疹の全てをいいます。
主な乳児湿疹は
- 新生児ニキビ
- 乳児脂漏性湿疹
- 小児乾燥性湿疹
- アトピー性皮膚炎
- 接触性皮膚炎
などがあります。
乳児にでてくる湿疹もいろいろあるので、時期やケア方法を把握していきましょう。
乳児湿疹の主な原因と症状
乳児湿疹は、多くの乳児が経験します。その主な原因と症状を理解することは適切なケアへの第一歩となります。
主な原因 | 症状 | 経過 | |
新生児ニキビ | ・ママからのホルモンの影響による皮脂の多量分泌 ・毛穴につまりやすい | ・頬やおでこなどに赤いぶつぶつ ・膿があるニキビも ・頬やおでこなどに赤いぶつぶつ ・膿があるニキビも | 生後2週間頃より発症し数ヶ月で沈静化 |
乳児脂漏性湿疹 | ・ママからのホルモンの影響よる皮脂の多量分泌 ・皮膚の常在菌が悪化させる一因もある | ・皮脂の分泌が多い頭部などに黄色いかさぶたかさぶたができる ・じくじくすることも | 生後2週間頃より発症 適切なケアで数ヶ月で改善 |
小児乾燥性湿疹 | ・ママからのホルモンの影響が薄れて逆に皮膚の乾燥になりやすい | ・乾燥による湿疹 ・粉をふいたりかゆみもある | ・生後6ヶ月頃から ・肌の乾燥を防ぐケアが大切 |
アトピー性皮膚炎 | ・皮膚のバリア機能が未熟なため ・食物アレルギーなどのアレルギーが原因の場合も | ・ぶつぶつやカサカサ ・かゆみと湿疹を慢性的に繰り返す | かゆみのある湿疹が2ヶ月以上続く場合はアトピー性皮膚炎の可能性あり |
接触性皮膚炎 | ・皮膚バリア機能が未熟なため ・身の回りの物質に接触することで引き起こす | ・ヨダレによるかぶれ ・衣服によるこすれ ・おむつかぶれ | 適切なスキンケアやまめなおむつ交換などを心がけることで改善していく |
参考:日本助産学会誌 新生児期の皮膚トラブル実態と関連要因
国立情報学研究所 研究成果報告書
生後しばらくして赤ちゃんにできる湿疹は、ママから受けついだホルモンの作用により皮脂分泌が過剰におきることでできます。ママからの影響がなくなっていくと皮膚が乾燥気味になっていきます。
赤ちゃんの成長過程により変わっていきます。適切なケアは悪化するのを防ぐので対処していきましょう。
家でできる乳児湿疹のケア方法
ママのおうちでできるケアについて解説していきます。
- 乳児湿疹ケアの秘訣2つ
- 病院でよく処方される塗り薬は?選ぶポイント
ぜひ参考にしてみてくださいね。
1.乳児湿疹ケアの秘訣2つ
乳児湿疹で大切なのは、主に2つです。
- 肌を清潔にする
- 保湿する
これらを実践し、赤ちゃんの肌の健康を守りましょう!
主なケア方法 | |
新生児ニキビ | 1日1回はお風呂に入る ベビー用の刺激の少ない石鹸を泡立ててやさしく洗う |
乳児脂漏性湿疹 | お風呂に入る前にワセリンやオリーブ油をつけて15分ほどして柔らかくなったら 石鹸を泡立ててやさしく洗う(無理にかさぶたを取ろうとしない) |
小児乾燥性湿疹 | 乾燥を防ぐのが1番。お風呂上がりにすぐ保湿をする 体に触れる衣類を見直す 乾燥する冬は加湿器をつける |
アトピー性皮膚炎 | 乾燥をほっておくと悪化しやすいのでお風呂上がりに保湿をする 食物アレルギー等ある場合は原因のものを避ける 症状がひどい場合は病院を受診する |
接触性皮膚炎 | 皮膚に接触する衣類の素材などに気をつける 適切なスキンケアとまめなおむつ交換を |
参考:環境再生保全機構 「知りたい子供のアレルギー」
ママのホルモンの影響が大きい新生児ニキビや乳児脂漏性湿疹は、皮脂の分泌も多く汗をよくかくためなりやすいです。毎日お風呂にいれて、石鹸を泡立ててやさしく洗ってあげてください。汗をたくさんかいたら、まめに拭いたり着替えたりするのも良いとされています。
ママのホルモンの影響がなくなってくる生後6ヶ月頃からは肌も乾燥しがちです。お風呂あがりの保湿を基本に、さらに乾燥が激しいときは朝なども塗ってあげてください。
2.病院でよく処方される塗り薬は?選ぶポイント
病院で処方される保湿剤は、ほぼワセリンかヘパリン類似物質クリームです。
ヘパリン類似物質クリームはクリーム、ローション、泡タイプがあります。
保湿力:ワセリン > ヘパリン類似物質クリーム
どちらも市販薬にもあり、乾燥しやすい冬はワセリン、夏はサラッとした塗り心地のヘパリン類似物質クリームと分けたり、塗る部位で使いわけたりしてもいいです。
ワセリンはそのまま塗るとべたっとしがちです。濡れた手で少量を手に広げてから塗ってあげるとのびもよく、ベタつきも気になりません。
さらに気をつけるなら、石けんやシャンプーは刺激の少ないベビー用や無添加石けんがおすすめです。できれば洗剤もベビー用や石けん系洗剤など肌にやさしいものを使用してください。
まとめ
乳児湿疹とは何か、ケア方法などについて解説しました。肌を清潔に保ち、乾燥させないよう保湿することはとても大切です。
ケアをしても、さらに悪化したり掻きむしって血がでる、化膿するなど改善がみられなかったりする場合は病院を受診しましょう。