「子どもが可愛いと思えない」
「ひとりになると涙が止まらない」
「夫にイライラして夫婦関係が悪くなった」
もしこのように感じているなら、それは産後うつのサインかもしれません。
産後うつはあなたの甘えや弱さが原因ではなく、必死に子育てを頑張った結果、ママのこころと身体が疲れてしまった状態です。
この記事では、病院に行っていいのかな…と悩んでいるママに向けて、産後うつで病院を受診すべき目安や相談できる診療科を紹介します。
こころの不調をひとりで抱え込まず、あなたが回復への道を踏み出す一歩になれたら幸いです。
産後うつの症状があっても病院に行かない人が多い
産後うつは決してめずらしい病気ではありません。
実際に産後1年以内の女性のうち、約10人にひとりが産後うつを経験するといわれています。[1]
ただ、症状があっても病院を受診しないママは少なくありません。[2]
その理由はさまざまですが、例として以下のような点が挙げられます。
- 精神科に怖いイメージを持っている
- 産後うつであることを認めたくない
- みんな大変なんだから…と我慢している
ただ、以下のような症状に心当たりがあるときは、産後うつの可能性があります。[3]
- 気分が沈む
- ものごとに対する興味がなくなる
- 楽しいと思えていたことが楽しくなくなる
関連記事:産後うつの可能性をチェックしよう|症状やなりやすい人の特徴とは
このような症状は甘えではなく、こころと身体がSOSを求めている状態です。
病院に行くほどじゃない…とムリせず、早めに専門家へ相談しましょう。
産後うつで病院を受診すべきタイミング
最近の1か月間を思い返して、以下2つの質問に「はい」か「いいえ」で回答してください。[3]
1.気分が沈んだり憂うつな気持ちになったりすることがよくあった
2.ものごとに興味がわかない、心から楽しめない感じがよくあった
関連記事:産後のメンタル不調は病院へ|症状チェックで知る受診の目安と相談先
どちらか(または両方)に「はい」と回答した場合は、うつ状態の可能性が考えられます。
病院に相談することで必要なサポートを受けてラクになれるため、早めに病院を受診しましょう。
産後うつで病院に行くときは何科?相談できる3つの選択肢
産後うつで受診できる診療科として、以下3つが挙げられます。
精神科・心療内科
気分の落ち込みや不安、イライラなど、こころの症状を専門に診る診療科です。
女性のメンタルヘルスを専門としたクリニックもあります。
眠れない・食べられない・自分を傷つけたくなるなど症状が深刻な場合は、早めの受診が必要です。
産婦人科
精神科や心療内科に行きづらい方は、産後のフォローをしている産婦人科や出産した病院に相談しましょう。
産後健診の延長として、こころの状態を相談できる場合があります。
必要に応じてあなたに合った精神科や心療内科を紹介してもらうことも可能です。
かかりつけ医や地域の保健センター
近くに相談しやすい病院がないときは、かかりつけ医や地域の保健センターに相談しましょう。
保健センターは全国の市区町村に設置されており、保健師や助産師など育児やメンタルケアの専門家に相談できる場所です。
お住まいの地域の保健センターについては「○○市 保健センター」でインターネット検索し、詳細を確認しましょう。
産後うつは病院で必ず治る?母乳育児への影響は?
産後うつは、早く治療を開始するほど回復しやすい病気です。
あなたや赤ちゃん、ご家族に合った子育ての負担を減らす方法や、体調を回復させる方法を医療者とともに考えましょう。
母乳育児をしている場合は、母乳をやめなければいけないかも…と心配されるかもしれませんが、産後うつは薬物治療以外にも以下のような治療法があります。
- カウンセリング:気持ちを整理する
- 生活環境の調整:家族の協力体制を見直す
- 地域との連携:保健師と連携し家事育児の負担を減らすサービスを利用する
薬物治療をする場合も、授乳に影響の少ないお薬を選ぶことが可能です。
主治医と相談しながら、あなたの体調や家庭環境に合った治療法を選択できます。
産後のメンタルと母乳の関係について知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
産後うつで病院に行くのは、あなたが弱いからじゃない
産後うつは、ホルモンバランスの変化や育児のプレッシャー、睡眠不足などさまざまな原因が重なって発症する病気です。
誰にでも起こりうる病気であるため、決してあなたの甘えや弱さによるものではありません。
育児中はただでさえ疲れやすい時期であるため、産後うつの症状があるときはこころと身体を早めに休ませましょう。
風邪をひいたら病院に行くように、こころが疲れてしまったときも病院の助けを借りてよいのです。
それでもやっぱり病院は不安…というときは、famitasuのオンラインカウンセリングをご利用ください。経験豊富な専門家があなたのお悩みをお聞きします。
参考資料
[1]日本産婦人科医会
https://www.jaog.or.jp/qa/confinement/jyosei200311
[2]立花良之 細川モモ あらいぴろよ
産後うつ?と思ったら読む本
主婦の友社
[3]厚生労働省