「出産後、なぜかイライラしてしまう」そんな風に悩んでいるママは少なくありません。
実は、産後うつのサインのひとつに「イライラ」があるのをご存じでしょうか。「涙が止まらない」「気分が沈む」などのイメージが強い産後うつですが、怒りっぽくなるのもよく見られる症状のひとつです。
産後うつではなくとも、ホルモンバランスの変化や睡眠不足、環境の変化などでイライラしやすくなる時期でもあります。
この記事では、産後にイライラしてしまう理由や対処法について分かりやすく解説します。
産後うつの症状とは
産後うつは出産後に見られる心の不調です。気分が沈む、やる気が出ない、食欲がないなど落ち込む気持ちを思い浮かべる人も多いでしょう。
実は、それだけではありません。感情のコントロールが難しくなり、突然イライラがこみ上げてくるのも、産後うつの一つの現れ方です。
産後うつの他の症状について詳しく知りたい方は、関連記事も参考にしてくださいね。
関連記事:産後鬱(うつ)の症状|見落としがちなサインとこころを守る対処法
産後うつの症状とは限らない!出産後イライラする3つの理由
産後は心と体が揺らぎやすく、イライラするママも少なくありません。ここでは、産後にイライラしやすくなる主な原因を3つ紹介します。
ホルモンバランスの変化
妊娠中に増えていたエストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンが、出産後急激に減少します。ホルモンバランスの急激な変化が感情の安定にも影響し、気分の浮き沈みやイライラにつながります。
また、授乳によってプロラクチンやオキシトシンの分泌が増加します。オキシトシンはママに幸福感を与える効果や子宮収縮の作用があるホルモンです。プロラクチンは赤ちゃんを守る気持ちを作り出すもので、攻撃性を高める作用もあります。
そのため、パートナーが育児に非協力的な場合などにイライラの原因となりがちです。[1]
睡眠不足や疲労の蓄積
赤ちゃんのお世話は24時間体制です。夜間の授乳や泣き声で睡眠が細切れになり身体が常に疲れている状態が続くと、心にも余裕がなくなります。
睡眠不足や疲労が蓄積すると、普段なら気にしないようなことにも敏感になりイライラしやすくなります。
慣れない育児によるストレス
産後は生活環境が大きく変わる時期で、精神的なストレスも強くなりがちです。慣れない育児や終わらない家事に加え、パートナーが育児に非協力的だと、さらにストレスは高まります。
誰にも頼れず自分の思いが伝わらないという状況が続くと、孤立感が高まりイライラとして表に出てくるケースは珍しくありません。
産後うつの症状かも?イライラとうまく付き合う対処法
ここでは、イライラとうまく付き合うために取り入れたい5つの対処法を紹介します。
自分のことを追い詰めない
「ママなんだからきちんとしなきゃ」と自分を追い詰めていませんか。赤ちゃんのお世話に加えて、料理・洗濯・掃除など日々の仕事はたくさんあります。
完璧なママなんていません。多少うまくいかなくても大丈夫ですよ。無理をしすぎないよう「まあいいか」と、自分にやさしく声をかけてあげましょう。
疲れているときは思い切って休む
家事も育児も、パートナーや家族の協力がなければ休むのは難しいものです。
疲れがたまっているときや寝不足が続いているときは、赤ちゃんを安全な場所に寝かせて数分だけでも目を閉じて体を休めましょう。好きな飲み物を飲む、自分だけの時間を確保するなどの工夫を取り入れると、少し気持ちが変わりますよ。
信頼できる人に打ち明ける
思っていることを「言葉にする」だけで、心がふっと軽くなります。
友人や家族、育児相談窓口などに素直な気持ちを吐き出してみましょう。心の中を吐き出すと、感情が整理されて少しラクになることも。
専門家に相談する
イライラが長引いて日常に支障が出ているときは専門家への相談も効果的です。
産婦人科や心療内科、小児科に併設された母親相談などさまざまな機関を利用できます。産後うつの場合、早めの受診が大切です。
産後は多くのママが自分のことを後回しにしがちな時期ですが、日常生活に支障を感じたら遠慮せずに専門家に相談してみましょう。
イライラするのは産後うつの症状のひとつかも|無理せず相談してみましょう
産後のイライラは、あなたの性格や努力不足のせいではありません。ホルモンバランスの大きな変化や睡眠不足、疲労などさまざまな原因が重なるため、感情が不安定になるのは自然なことです。
もしも、イライラが長引いて日常生活がつらいと感じているのなら、産後うつのサインかもしれませんね。
まずは今の気持ちを誰かに話すことから始めてみませんか。誰に相談したらいいか分からない人は、ぜひ、Famitasuのコミュニティやオンラインカウンセリングも活用してみてくださいね。
参考資料
[1]松浦市
https://www.city-matsuura.jp/material/files/group/40/dakkodakko06.pdf