出産を終えれば楽しい赤ちゃんとの生活が始まると思っていたのに、気づけば涙が出たり気分が落ち込んだりして、「私、大丈夫かな?」と不安になることはありませんか。
産後は誰もが心が不安定になりやすい時期です。
この記事では、産後うつのピーク時期やつらい時期を乗り越えるための5つの対処法について紹介します。
産後うつとは?誰にでも起こりうる心の不調
ホルモンバランスの急激な変化や生活環境の激変で、産後は多くのママにとって心が不安定になりやすい時期です。涙が出たり気分が落ち込んだりするのは、決して珍しいことではありません。
なかでも多くのママが体験するのがマタニティブルーです。産後うつとの違いについてみていきましょう。
マタニティブルーとの違い
マタニティブルーとは、産後すぐの数日間、ホルモンの急激な変化で情緒不安定になることです。
産後うつと似たような症状が発生します。通常は産後10日ほどで自然におさまることが多いので焦る必要はありません。[1]
産後うつ・マタニティブルーのよくある症状
産後うつ・マタニティブルーにはさまざまな症状があります。ここでは主なものを5つ見ていきましょう。
- 涙もろくなる
- 気分が沈んで何もする気になれない
- 赤ちゃんがかわいいと思えない
- 食欲がない、または過食
- 不眠や過眠
マタニティブルーが長引いて産後うつに移行することもあるので注意が必要です。このような状況が2週間以上続くようなら、病院への相談を検討してみましょう。
産後うつのピークはいつ?
「今が一番つらい気がするけれど、いつまで続くの?」そんな風に感じているママもいるのではないでしょうか。
産後うつには、多くの人に症状が現れやすいピークの時期があります。ここでは、一般的にピークとされる時期と、注意が必要な期間について紹介します。
産後3か月以内が多い
産後うつになりやすい時期は、産後1か月~3か月といわれています。[2]ホルモンバランスの乱れに加え、慣れない育児による疲れや寝不足などが主な要因です。
生後3か月を過ぎるころには体調も元に戻り、少しずつ生活に慣れてきて落ち着くママも多く見られます。
産後1年以内は要注意
ただし、産後うつの個人差は大きく、産後半年〜1年経って症状が出る人もいます。
それまで気づかずに無理を重ねた結果、産後うつになるママも。「もう落ち着いていい時期なのに、なぜ?」と自分を責める必要はありません。
産後うつのピークかもと感じた人のためのチェック表
「もしかして産後うつかも?」と感じた方は、以下の項目をチェックしてみてくださいね。
- 理由もなく涙が出る
- 朝起きるのがつらい
- 食欲がない、または食べすぎる
- 赤ちゃんに笑顔で接するのが苦しい
- 自分を責める気持ちが強い
- 「いなくなりたい」と思ったことがある
ひとつでも当てはまる場合は、次に紹介する対処法を試してみてくださいね。
また、産後うつのスクリーニングに役立つ「エジンバラ産後うつ病質問票」というチェックリストもあります。より詳しく確認したい方は、こちらの記事も参考にしてください。
関連記事:エジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)とは|質問内容や回答後の流れ
産後うつのピークを乗り越える5つの対処法
産後の不安や落ち込みは誰にでも起こりえます。つらさのピークを乗り越えるために、今日からできる5つの対処法を紹介します。
休むことを意識する
育児中は休むことに罪悪感を持ちがちですが、疲れたときはしっかり休むことも育児の一部です。なかなか寝付けないときは横になるだけでもいいので、意識して休憩時間を取りましょう。
家族や周囲に頼る
「自分で全部しなきゃ」と思い込んでいませんか。赤ちゃんのお世話は想像以上に大変です。パートナーや家族、友人に「手伝って」「抱っこしてて」と声をかけてみるところからはじめましょう。
小さな気分転換を取り入れる
1日10分でもいいので、時間を作って外の空気を吸ったり好きな音楽を聴いたりしてみてください。自分だけの時間が心の回復につながります。
誰かに話す
自分の気持ちを聞いてもらうだけで、ふっと楽になることがあります。「つらい」と言える場所を作ることは、とても大切なセルフケアです。
病院や専門家に相談する
心の不調は、風邪と同じように早めの対処が大切です。産婦人科や小児科、保健センターなどでも相談できます。専門家への早めの相談を検討してみてくださいね。
産後うつのピークは人それぞれ。無理せず早めの相談を
一般的に産後3か月が産後うつのピークといわれています。しかし、産後うつになる時期には個人差があります。なかには、産後1年を過ぎて産後うつになるママも。
心のピークは人それぞれです。「しんどいな」「ちょっと疲れたな」と思ったのなら、それがあなたのサインかもしれません。
無理をせず、早めの相談や医療機関の受診を検討してみてくださいね。
参考文献
[1]公益社団法人日本産婦人科医会
https://www.jaog.or.jp/qa/confinement/jyosei200226
[2]野田市│知ってもらいたい、産後うつ
https://www.city.noda.chiba.jp/kosodate/1018157/1018160/1018162.html