妊娠中は赤ちゃんに会える喜びを感じる一方で「ちゃんと育てられるかな」「自分は産後うつにならないかな」と不安を抱える人も少なくありません。
産後はホルモンや環境の変化でメンタルが大きく揺らぎやすい時期で、産後うつは誰にでも起こりうるものです。とくに、真面目でがんばり屋な人やうつ病経験がある人は、知らず知らずのうちに心に負担を抱えてしまいがち。
でも、妊娠中から少しずつ備えておくだけで、産後の生活がぐっとラクになることも。
本記事では、産後うつにならない人の特徴や知っておきたい予防策を紹介します。妊婦さんはもちろん、育児中のママにも役立つ内容なので、ぜひ参考にしてくださいね。
産後うつとは?
出産後はホルモンバランスの急激な変化などにより、気分の落ち込みやイライラなど情緒不安定になりやすい時期です。睡眠不足や孤独感、慣れない育児への不安などが重なり、一時的に気分が落ち込むママも少なくありません。
こうした状態は「マタニティブルーズ」と呼ばれ、多くのママに見られる一過性の心の揺らぎです。一般的には産後10日程度で回復するため、過度に心配する必要はありません。[1]
一方、情緒不安定な状態が2週間以上続き、日常生活に支障が出るような場合は「産後うつ」と診断されることがあります。
その場合は、専門的なサポートが必要になります。
なお、マタニティブルーズの時期に無理をしてしまうと、産後うつにつながることもあるので、できるだけ心と体を休めながら過ごしましょう。
産後うつにならない人の特徴とは?
産後うつにならない人に、共通して見られる主な特徴を紹介します。
- 気分転換が上手い
- 周囲に助けを求められる
- 完璧でない自分を責めない
- 産後うつにならないよう対策している
一方、産後うつになりやすい傾向がある人にも、共通点があると言われています。主なものを見ていきましょう。
- 真面目で頑張り屋の人
- 完ぺき主義の人
- 周囲からのサポートが少ない
- 環境の変化に弱い
- うつ病の経験者
「当てはまるかも」と感じた方も、心配しすぎないでくださいね。大切なのは、自分の傾向を知り、早めに備えておくことです。
産後うつにならない人が実践している予防策5選
産後うつは10人に1人がなるといわれるほど、決して特別なものではありません。しかし、事前に予防策を意識して行動している人は、産後うつを回避しやすい傾向があります。
ここでは、妊婦さんや育児中のママが取り入れやすい予防策を5つに絞って紹介します。
①完ぺき主義を手放す
赤ちゃんのお世話は想像以上に大変なことも。「赤ちゃんの泣き声にすぐに反応できない」「家事が思うように進まない」というケースはよくあります。
思うようにできない自分に落ち込む必要はありません。完ぺきなママを目指すよりも、無理しないことを心がけましょう。
②周りに助けを求める
赤ちゃんの責任を一人で背負い込み、周りに助けを求められないママもいます。
これを防ぐには、妊娠中から、夫や家族、友人などに「こういうときは手伝ってほしい」と伝えておくのがおすすめです。
産後の心と体は想像以上に疲れています。一人で抱え込まずに、支えてくれる人を信じて頼りながら進めていきましょう。
③自分だけの時間を確保する
初めての育児はどうしても赤ちゃん中心の生活になり、自分のことを後回しにしがちです。1日のうちたった10分でも自分だけの時間を確保すると心が整いますよ。
たとえば、ストレッチや深呼吸、好きな音楽を聴くなど、気分転換を図りましょう。
妊娠中からその必要性をパートナーに伝え、家族で意識して「ママが休める時間」を確保できるように心がけておくと心強いですね。
④ママ同士のつながりを作る
初めての育児に不安を感じるのは、あなただけではありません。同じような立場のママとつながり、悩みや不安を共有するのもおすすめです。
自治体のママパパ教室やオンラインのママサークルなどを活用して、気軽に交流を始めてみましょう。
⑤専門機関を知る
「ちょっとつらいかも」と感じたときは、無理をせず早めの相談が肝心です。地域の保健センターや産院、助産師さん、心療内科などの連絡先を調べておきましょう。
頼れる子育てサポート窓口について詳しくは、参考記事をあわせてご覧ください。
参考:子育てで悩んだら?病院や自治体など頼れるサポート相談窓口5選
産後うつにならない人を目指して、できる準備を少しずつ
産後はホルモンバランスの乱れや睡眠不足など、心と体に大きな負担がかかる時期です。ひとりでがんばりすぎると心が疲れてしまいます。
産後うつにならない人は、完璧を目指さず、周囲を頼り、気分転換を上手に取り入れるなどの工夫をしています。困ったときに頼れる窓口を知ることも大きな安心につながりますよ。
本記事で紹介した予防策を参考に、できることから少しずつ意識してみてくださいね。
参考資料