産後うつになりしばらく時が経つと「いつ治るんだろう」と不安になる人は少なくありません。
「そろそろ気分も落ち着いてくると思っていたのに、毎日がつらい」「周りは普通に育児をしているのに、私は笑えない」と感じている方もいるでしょう。
この記事では、産後うつが治らない理由や回復期間、今すぐできる対処法について、わかりやすくお伝えします。
産後うつが治るまでの回復期間
産後うつとは、気持ちの落ち込みが2週間以上続き日常生活に支障が出る状況を指します。
産後うつが治るまでの回復期間は人それぞれです。発症後2~3か月以内で落ち着く人がいる一方で、1年以上に及ぶ人も見られます。[1]
そのため、「もう〇か月も経ったんだから、早く元気にならないと」と思い込まず、ゆったりと構えることが大切です。
治療期間には、治療開始のタイミングが大きく左右します。そのため、早期に治療を開始した場合は早めに治る人が多いのが一般的です。
しかし、必ずしもそうなるとは限りません。うつ症状がなかなか治らないからといって気に病むと、それがストレスになることも。環境は人によって異なります。
回復期間を気にしすぎず、医療機関を受診し、適切なケアやアドバイスを受けて回復につなげることが重要です。
「産後うつが治らない」と感じる主な理由
産後はホルモンの乱れが続きます。また、体調が十分に回復しないまま赤ちゃんのお世話が始まります。赤ちゃんは一度に長く眠ることができません。
授乳やおむつ替えなどで、どうしても生活リズムが乱れがちです。これまでの生活が急変して、慢性的な睡眠不足が続くことも。
周囲の協力不足
パートナーや家族など周囲の十分な協力が得られず、不満やストレスがたまることもあるでしょう。なかなか環境が変わらず、1人でストレスを抱えている場合、産後うつが治るまでに時間のかかるケースが多く見られます。
治療開始の遅れ
赤ちゃんのお世話で手一杯で、自分の通院や治療の時間が取れず、治療開始のタイミングが遅れた場合、回復までに時間がかかることも少なくありません。
産後うつに対する理解不足
産後うつは病気です。決して「気のせい」や「怠けているから」ではありません。しかし、そのことになかなか気が付かず「自分でなんとかしよう」と頑張りすぎて、受診のタイミングを逃して悪化させてしまう人もいます。
また、産後うつからなかなか回復しないのは、あなたが悪いからではありません。場合によっては、産後うつに対する周囲の理解が得られずに、回復に時間がかかることもあります。
産後うつがなかなか治らないときの対処法5選
産後うつがなかなか治らず、つらい思いを抱えている人もいるでしょう。ここでは今すぐできる4つの対処法を紹介します。
無理せずできることがあれば、取り組んでみてください。
無理に元気になろうとしない
無理をすると回復までに時間のかかることがあります。
「今日は赤ちゃんの顔が見られただけでもOK」など、ハードルを下げて毎日を過ごしましょう。
意識して「自分の時間」をつくる
赤ちゃんのお世話ばかりで、自分の時間が全く取れないと回復が思うように進まないことも。
「好きな音楽を聴く」「ストレッチをする」「深呼吸する」など、ほんの少しだけでも自分の時間を意識してみましょう。
家族の協力を頼む
赤ちゃんのお世話や家事、全て一人で行うのは大変です。ときにはパートナーや家族に協力を頼み、赤ちゃんを見てもらっている間にゆっくり休んでみませんか。
パパが何もしないのは「何をしたらいいか分からないから」ということも多いものです。
「洗濯物をたたんでほしい」「少し眠りたいので赤ちゃんを見ていてほしい」などと、具体的に伝えると協力を得やすくなります。
周囲に気持ちを言葉で伝える
誰にとっても、子育ては初めてのことの連続です。どうしたらいいか分からないことが多いもの。困ったことや迷った時は、周囲に自分の気持ちを伝えてみましょう。
ママ友と少し話をするだけで気分が晴れる人もいます。SNSを通じて発信することで
医療や行政のサポートを活用する
もしもあなたが「産後うつではないか」と感じているのにまだ病院に行っていないのなら、ぜひ、相談してみてくださいね。授乳中に使える薬もありますよ。
市役所など各自治体でも、ママに対してさまざまなサポートを実施しています。お住まいの自治体のホームページから「産後ケア」などと入力して調べてみてくださいね。
産後うつが治るまでの期間は人それぞれ
産後うつが治るまでの期間は人それぞれ。2~3か月で治る人がいる一方で、1年以上かかる人もいます。
早く治らないからと焦る必要はありません。自分を責めずに過ごすことが大切です。
困ったときは、無理せずためらわずに助けを求めてくださいね。
参考資料
[1]北海道石狩振興局
https://www.ishikari.pref.hokkaido.lg.jp/hk/hgc/health/matanitey-utu.html