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産後のメンタルと母乳|授乳とメンタル、ストレスと母乳量の関係

2025 2/17
パパとママのこころの健康
2025年2月17日

産後はメンタルが落ち着かなかったり母乳について悩んだりして「このままで大丈夫かな?」と不安になってしまいますよね。

厚生労働省の調査では、妊娠中から「母乳で育てたい」と考える妊婦さんが93%に達しているとされています。[1]

ただ、産後の睡眠不足や疲労、ホルモンバランスの乱れなどによりメンタルが不安定で、母乳育児に悩むママは少なくありません。

今回は、産後のメンタルと母乳の関係について解説します。

母乳に関するモヤモヤが少しでも軽減し、安心して赤ちゃんと過ごせる助けになれば幸いです。

目次

産後のメンタルと母乳育児の関係

母乳育児中のママは授乳によって血圧や心拍などが安定し、哺乳瓶でミルクを与えているママよりリラックスしやすいとされています。[2]

ただ、産後1か月のママのうち約6割もの人が、以下の理由から「母乳育児に不安がある」と回答しているのです。[2]

・母乳が不足気味:44.3%
・母乳が苦痛・めんどう:13.2%
・赤ちゃんが母乳を飲むのを嫌がる:11.3%

母乳育児によってメンタルが安定しやすい一方で、母乳量の少なさや赤ちゃんの拒否などにより悩みやすく、多くのママが授乳に対して不安を感じていることがわかります。

産後のメンタルと母乳量

母乳量が減る理由のひとつとして挙げられるのが「ストレス」です。

母乳には以下ふたつのホルモンが関係しています。[3]

・オキシトシン:母乳を噴射させる
・プロラクチン:乳腺を発達させる

オキシトシンは幸福感を与える「しあわせホルモン」と呼ばれるものですが、ママがストレスや不安を感じ続けると分泌量が減少するとされています。

プロラクチンはオキシトシンの刺激により高まるため、ストレスにより両方のホルモンが減少し母乳量が減ってしまうのです。[4]

ただ、以下のようにメンタル以外の原因が母乳量に影響している可能性もあります。

・ワンオペ状態で疲労が溜まっている
・赤ちゃんが上手に飲めず母乳が生成されない

「母乳が出ないのは私のせいだ」と悩まず、周りの環境や身体の状態によっても母乳量が減っているという視点を持ちましょう。自分を責めすぎないようにしてくださいね。

産後のメンタルや母乳について相談できる場所

産後のメンタルや母乳の不安が相談できる場所として、以下が挙げられます。

悩みや相談しやすい方法に合わせて利用してください。

■母乳や育児の不安

産婦人科クリニックに併設されている「母乳外来」や「助産師外来」で相談できます。

出産した病院や近隣の病院に問い合わせましょう。

■妊娠中や授乳中の服薬

「妊娠と薬情報センター」に相談できます。

妊娠と薬情報センターは、妊娠・授乳中の薬物治療に関して相談できる場所です。[5]

各都道府県に相談できる病院が設置されているため、詳細はこちらを確認してください。

■電話相談

日本助産師会のホームページでは、助産師による電話相談の窓口が紹介されています。

「赤ちゃんを連れての外出は難しい」という方は、こちらを確認し利用してみてくださいね。

母乳育児じゃなくても大丈夫!

母乳育児がストレスになっているときは、自分を追いつめてまで母乳育児を頑張らないようにしましょう。

母乳育児の赤ちゃんと完全人工栄養の赤ちゃんは、6か月まで同じように発育することがわかっています。[6]

ママと赤ちゃんの愛着に関しても、赤ちゃんの目を見たり話しかけたりしながらミルクをあげることで育まれていくため、心配しすぎる必要はありません。

しあわせホルモンであるオキシトシンは、以下のようなスキンシップによっても分泌されます。[7]

・おむつ替えの時に足をさする
・着替えの時に背中をさする

母乳・ミルクに関わらず、ママの負担が少なくリラックスして過ごせることが、赤ちゃんとの愛着形成にもっとも重要です。

産後のメンタルと母乳の悩みは専門家に相談を

母乳育児はママのメンタルを安定させやすい一方で、母乳量や赤ちゃんの拒否などのさまざまな悩みにより不安になりやすい傾向があります。

ストレスは母乳量を減少させる一因でもあるため、つらい気持ちや悩みをひとりで抱え込まないようにしましょう。

産後のメンタルや母乳に関する相談は、助産師をはじめとした専門家に相談できます。

母乳育児へのストレスが強いときはミルクの利用を検討しながら、ママの負担が少なく赤ちゃんと過ごせる方法を見つけていきましょう。

famitasuでは経験豊富なカウンセラーがあなたの悩みをお聞きします。

「つらい気持ちをちょっと聞いてほしい」とお気軽にご利用くださいね。

参考資料

[1]厚生労働省

平成27年度 乳幼児栄養調査結果の概要

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000134207.pdf

[2]産後1ヶ月の母親の母乳育児不安の実際とその関連要因

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhas/13/2/13_72/_pdf/-char/ja

[3]JCHO北海道病院

https://hokkaido.jcho.go.jp/wp-content/uploads/2024/11/%E3%81%8A%E3%81%A3%E3%81%B1%E3%81%84%E3%81%AE%E3%81%8A%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%972024.pdf

[4]直接授乳行動における母親への心理的影響に関する文献検討

[5]国立成育医療研究センター

https://www.ncchd.go.jp/kusuri

[6]人工栄養児のエネルギーおよび各栄養素の摂取量

https://www.jstage.jst.go.jp/article/milk/63/2/63_63/_pdf/-char/ja

[7]幸せな脳は抱っこで育つ。

山口創 廣済堂出版

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この記事を書いた人

とだ ゆずのアバター とだ ゆず

看護師として児童精神科・小児科で7年勤務。さまざまな悩みを抱えながらも、自分らしく過ごそうと前を向く親子に寄り添ってきました。現在は子育てをしながらメンタルヘルスライターとして活動しています。
保有資格:看護師、保健師、上級心理カウンセラー、漢方養生指導士

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