父親は子どもを産んでいないから産後のメンタル不調にはならないはず…と思っていませんか?
実は産後におけるメンタル不調の発生率は、男女でほぼ同じとされています。
この記事を通して男性も産後のメンタルに悩みやすいことを知り、早めの対策をとっていただけると幸いです。
産後は父親もメンタル不調のリスクがある
国立成育医療研究センターの調査によると、産後1年以内に精神的な不調を感じる親の割合は以下のとおりとされています。
・父親:11.0%
・母親:10.8%
産後のメンタル不調の発生率は男女でほぼ同じであり、父親が精神的な不調に悩むのは決して珍しいことではありません。
ただ、父親は子どもを産んでいないから産後うつにはならないという思い込みにより、周囲の理解を得られにくいのも事実です。
男性も産後はストレスを抱えやすい状態であることを理解し、心のSOSを無視しないようにしましょう。
産後にメンタル不調になりやすい父親の特徴
国立成育医療研究センターによる調査では、メンタル不調になりやすい父親の特徴として以下が挙げられています。
・世帯支出が多い
・睡眠不足である
・長時間労働をしている
父親のメンタル不調が現れやすい時期は産後3〜6か月です。[1]
男性は父親になった責任や稼ぎ頭としてのプレッシャーを感じやすく、知らず知らずのうちに疲労がたまってしまいます。
産後は赤ちゃんのお世話や妻のフォローで忙しい時期ですが、自分のケアを後回しにせずこまめにリラックスできる時間をとりましょう。
父親が子育てに疲れる原因を知りたいときはこちらをご覧ください。
産後のメンタル不調セルフチェック
以下2つの質問に「はい」か「いいえ」で回答し、産後のメンタル不調をセルフチェックしましょう。[2]
- 気分が沈んだり憂うつな気持ちになったりすることがよくあった
- ものごとに興味がわかない、心から楽しめない感じがよくあった
どちらか、または両方に「はい」と回答した場合はうつ病の可能性が高い状態と考えられます。
心の病気は早期の治療ほど回復が早いため、無理せず早めに医療機関に相談しましょう。
【父親編】産後におけるメンタル不調の対処法
産後におけるメンタル不調の対処法として以下3つが挙げられます。
より詳しく知りたいときはこちらの記事をあわせてご覧ください。
妻と自分を比べない
母親である妻と自分を比べないようにしましょう。
母親は入院中から赤ちゃんのおむつを変えたりおっぱいをあげたりして、赤ちゃんとの関わりを深めています。
赤ちゃんが小さいうちは母親との経験の差は仕方のないことだと割り切り、赤ちゃんとうまく関われなくても気にしすぎないようにしましょう。
また、母親の方が大変だから自分が頑張らなきゃとムリする必要はありません。
環境の変化により辛いのは父親も母親も同じです。
母親である妻と自分を比べず、大変なときは休むようにしてくださいね。
コミュニケーションをとる
産後はどうしても赤ちゃん中心の生活になりますが、夫婦でのコミュニケーションもとりましょう。
育児中の夫婦を対象とした調査では、お互いに感謝やねぎらいを伝え合う夫婦ほど夫婦満足度が高いことがわかっています。[3]
何気ないあいさつや「ありがとう」の一言を伝えるだけでも十分であるため、妻とのコミュニケーションを頑張ろう!と意気込む必要はありません。
仕事や育児などで会話が難しいときは、LINEやメモで伝えるのがおすすめです。
疲れたときの自分を助けるつもりで、日頃のコミュニケーションにより助け合える関係性を作っておきましょう。
つらい気持ちを相談する
産後は男女ともにメンタル不調の可能性が高まる時期であるため、気持ちが落ち込んだときはひとりで抱え込まず周囲に相談してください。
精神科や心療内科に行く時間が取れない方は、職場の産業医に相談したり親子のための相談LINEを利用したりしましょう。
親子のための相談LINEは、18歳未満の子どもと保護者が子育てや親子関係などについて相談できる窓口です。
famitasuではオンラインやチャットで相談をお待ちしておりますので、お気軽にご利用ください。
あなたをサポートする場所は身の回りにたくさんあります。どうかひとりで悩まず、つらい気持ちを相談してくださいね。
父親も産後のメンタル不調に悩んだときは相談しよう
産後1年以内は男女ともにメンタル不調の可能性が高まる時期です。
父親は子どもを産んでいないから…とつらい気持ちを我慢し続けると、うつ状態につながってしまいます。
産後は父親・母親ともに大変であるため、自分は男だからとムリする必要はありません。
famitasuではあなたのお悩みに寄り添い気持ちをラクにするお手伝いをさせていただきます。お気軽にご相談くださいね。
参考資料
[1]日本人男性における周産期うつ病の有病率
[2]産後うつ?と思ったら読む本
立花良之 細川モモ あらいぴろよ
主婦の友社
[3]育児期にある夫婦ペアレンティング
―互いの育児の批判をめぐって―
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjam/advpub/0/advpub_JJAM-2019-0009/_pdf