産後間もない時期の育児は、ママにとって不安と戸惑いの連続です。
十分に回復していない身体で慣れない育児に追われていると、気分が落ち込んだり理由もなく涙が出たりするなど、不調が現れるママも少なくありません。
こうした不調が出た場合は決して我慢せず、十分な休息を取りつつ家族や医師などに相談することが大切です。
本記事では、産後ママに起こりがちなメンタル不調や受診すべき診療科、不調を乗り越えるコツについて解説します。
産後ママに起こりやすいメンタル不調
産後ママに起こりがちなメンタルの不調は、おもに下記の2種類があります。
・マタニティブルー
・産後うつ
マタニティブルー
マタニティブルーは、出産後の女性の30～50％に出現する軽い精神症状です。
産後数日から2週間程度の間に、涙が止まらなくなったり、イライラしたり、気分が落ち込んだりするなどの症状が出ます。
原因としては、出産を乗り越えたあとの気持ちの変化や子育てがうまくいかないジレンマ、女性ホルモン（エストロゲン）の急激な低下などが考えられています。
ただし、ほとんどの症状が一過性で産後10日程度で軽快することが多く、あまり心配することはありません。
参照：マタニティブルーズについて教えてください – 日本産婦人科医会
産後うつ
産後うつ病は、出産後の女性の約10％に起こるこころの病で、多くの場合産後3ヶ月以内に出現します。
以下のような症状が2週間以上続くのが特徴です。
精神症状
・気分が落ち込む
・自分を責めてしまう
・何事も楽しめない
・子育てへの自信がなくなる
身体症状
・よく眠れない
・食欲がわかない
・疲れが取れない
・頭痛がする
主な要因としては、産後のホルモンバランスの変化や睡眠不足、周囲のサポート不足などが挙げられ、それぞれが影響しあって発症すると考えられています。
また、マタニティブルーになった女性は、産後うつ発症のリスクが高いといわれています。
出産前からの不安感やうつ症状も発症に影響することがあるので、妊娠中から十分なケアを行うことが重要です。
参照：産後うつ病について教えてください – 日本産婦人科医会
産後のメンタル不調が続いたら何科に行くべき？
出産後、2週間以上メンタルの不調が続く場合は産後うつの可能性があるため、かかりつけの産婦人科や精神科、心療内科に相談しましょう。
産後うつの治療法は、一般的なうつ病と同じく、薬物療法と心理療法の組み合わせが一般的です。
授乳中の服薬に不安を抱くママも多いかもしれませんが、近年は副作用の種類や程度、時期などのデータが蓄積され、より安全な治療が確立されつつあります。
また、産後うつからの回復には、家族の寄り添いが欠かせません。ママが受診する際は、可能な限り家族も同席し、主治医の説明を一緒に聞いて病状への理解を深めましょう。
産後のメンタル不調の乗り越え方
産後のメンタル不調を乗り越えるには、以下の2点を意識することが重要です。
・悩みや不安を1人で抱え込まない
・家事や育児は頑張りすぎない
悩みや不安を1人で抱え込まない
産後の悩みや不安は、決してママ1人で抱え込まないでください。
出産や育児は、慣れないことの連続で、ママの身体や心に大きな負担がかかります。
少しでも「しんどい」と感じたら我慢せず、家族や友人、専門家など信頼できる人に話を聞いてもらいましょう。1ヶ月健診や新生児訪問の際に悩みや困りごとを相談すると、医師や助産師、保健師から専門的なアドバイスがもらえて気持ちも楽になります。
家事や育児を頑張りすぎない
ママ1人で、家事や育児を頑張りすぎないことも大切です。
完璧を目指さず、辛いときは後回しにしたり簡単に済ませたりすることで、ママの心身への負担を軽減できます。
また、家事・育児はパパや他の家族と協力しながら行い、休む時間を十分に確保しましょう。家事代行やベビーシッター、自治体の産後ケア事業など外部サービスの活用も、ママの休息時間の確保に効果的です。
ただし、外部サービスは産後困ってから探そうとすると大変で、事前登録が必要なこともあるので妊娠中から調べておきましょう。
まとめ
産後ママに起こりやすいメンタル不調は、マタニティブルーと産後うつの2つがあります。
不調が2週間以上続く場合、産後うつの可能性を考慮し、かかりつけの産婦人科や精神科・心療内科に相談しましょう。
メンタル不調を乗り越えるには、悩みや不安をママ1人で我慢してはいけません。家族・友人・専門家のサポートを受けながら、十分な回復に努めましょう。
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