赤ちゃんの前では笑顔でいたくても、産後すぐはメンタルが不安定になりやすく感情のコントロールが難しいと感じる方も多いですよね。
この記事では、産後のメンタルが不安定になりやすい理由や対処法をお伝えします。あなたのメンタルをラクにするお手伝いができれば幸いです。
産後はメンタルが不安定になりやすい
産後の一時的な気分の落ち込みや不安は「マタニティブルーズ」といわれ、産後の女性のうち30～50%が経験するものです。[1][2]
マタニティブルーズでは、産後数日から2週間ほどの間に以下のような症状が現れます。
・涙が止まらない
・集中力がなくなる
・情緒が不安定になる（イライラや落ち込みなど）
症状は産後10日程度で改善するため、心配しすぎる必要はありません。[2]
ただ、マタニティブルーズが長引くと産後うつにつながりやすいため、症状が強いときや精神科や心療内科に通院した経験がある方は早めに専門家に相談しましょう。
産後うつについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
産後のメンタルが不安定になりやすい理由
産後のメンタルが不安定になりやすい理由として以下が挙げられます。[1][2]
・環境の変化
・産後の体力低下
・夜間授乳による睡眠不足
・女性ホルモンの急激な低下
出産直後は身体がしんどくても、赤ちゃん中心の生活になるため十分に休息できません。
産後の女性は赤ちゃんに出会えた喜びとともに育児への不安や戸惑いを抱えやすく、精神的に非常に敏感な状態です。[3]
そのため産後はメンタルが不安定になりやすい時期といえるでしょう。
産後のメンタル不安定セルフチェック
以下のA・Bすべてに当てはまるときは、マタニティブルーズの可能性があります。[4]
A.以下2項目の両方に当てはまる状態が産後5日までに発症し、産後2週間程度で消失する
- 特別な状況と関連なく泣きたくなったり、実際に泣くなどの涙もろさ
- 抑うつ感
B.以下の症状のうち少なくとも2項目が当てはまる
- 不安（過度の心配）
- 緊張感
- 落ち着きのなさ
- 疲労感
- 食欲不振
- 集中困難
マタニティブルーズは一過性のものですが、症状が強いときや精神疾患の経験がある方は早めに専門家に相談しましょう。
産後のメンタル不安定を乗り越える方法
産後のメンタル不安定を乗り越える方法として以下3つが挙げられます。
リラックスできる環境に身を置く
子どもの前では笑っていなきゃ！と頑張るよりも、リラックスできる環境に身を置くのが大切です。
心がホッとしたり、穏やかな気持ちで過ごせたりする瞬間を探してください。
たとえば、推しの動画を見ているときやひとりでボーッとしているときなどが挙げられるでしょう。
産後のメンタルが不安定なのはあなたの意志の問題ではなく、周囲の環境や身体の状態によるものです。
リラックスしやすい環境に身を置き、心身がゆるむ感覚を味わってくださいね。
時間が解決してくれるのを待つ
産後は不安定になりやすいものと割り切り、時間による解決を待つのも必要です。
産後3か月の母親を対象にした調査では、以下に挙げるネガティブ／ポジティブな要素があることがわかっています。[5]
■ネガティブな要素
- 不安定感（例：なんとなく気分がのらない）
- 心身疲労（例：どことなくからだがスッキリしない）
- 制約感（例：自分の関心が子どもに向いて視野が狭くなる）
■ポジティブな要素
- 自己成長感（例：母親になると自分はすてきな女性になる）
- 母親肯定・子ども至上感（例：母親であることが好き、子どものためなら何でもできる）
出産や育児の経験により、成長した自分を少しずつ好きになる傾向がみられます。
産後すぐは心身のダメージが大きいため、解決を急がず時間の流れに身を任せましょう。
専門機関に相談する
心身がつらく育児や日常生活に集中できないときは、ムリせず出産した病院やお住まいの地域に相談してください。
「産後 相談 ○○市」で検索し、どのようなサポートが得られるか確認しましょう。
famitasuのオンライン・チャットによるカウンセリングでは、あなたのご都合のよい時間にご自宅から相談可能です。お気軽にご利用くださいね。
産後のメンタル不調の乗り越え方や何科を受診すべきかについて知りたい方は、あわせてこちらをご覧ください
産後のメンタル不安定に悩んだときは相談を
産後はホルモンバランスや環境の急激な変化により不安定になりやすい時期ですが、多くは産後10日程度で症状が改善していくとされています。
リラックスできる環境に身を置き、時間が解決してくれるのを待ちましょう。
ただ、症状が長引くと産後うつにつながりやすいため、育児や日常生活に支障が出ているときや精神疾患の経験がある方はムリせず専門家に相談してください。
famitasuでは、オンラインカウンセリングやメンタルケアに特化したコミュニティを提供しています。
私たちとのつながりを通して、少しでもこころを軽くするお手伝いができれば幸いです。
参考資料
[1]働く女性の心とからだの応援サイト
https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/health/column-22.html
[2]日本産婦人科医会
https://www.jaog.or.jp/qa/confinement/jyosei200226
[3]SOC（Sense of Coherence）とマタニティブルー
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhsaiih/10/1/10_KJ00004620579/_pdf/-char/ja
[4]マタニティーブルーズの本邦における実態とその対策
https://www.niph.go.jp/wadai/mhlw/1993/h050305.pdf
[5]産後3か月における母親意識の構造と育児状況に関する要因との関連
https://www.jschild.med-all.net/Contents/private/cx3child/2006/006502/033/0306-0313.pdf
