「カウンセリング」という言葉をあなたはよく耳にしたことがあるでしょう。
あなたは、「カウンセリング」と聞いて、どんなイメージを持ちますか。
「相談」という意味なのはわかるものの、一体どんなときに、何を相談すれば良いのでしょうか。
また、どんな人が、どんなところに相談に行けば良いのでしょうか。
ベテラン心理カウンセラーが、カウンセリングについて詳しくお話しします。
カウンセリングとは何か
カウンセリングとは、
「専門家であるカウンセラーと相談者が対話を重ねることで、相談者が主体的に悩みを解決できるよう支援するプロセス」
を指します。
最近はさまざまな職種の人が「カウンセリング」という言葉を使っていますね。
化粧品業界など、ほかの業界の人たちが「カウンセリング」と呼ぶので、何がカウンセリングなのか、わかりにくいです。
そのため、心理の専門家であるカウンセラーが行うカウンセリングを「心理カウンセリング」と言うこともあります。
カウンセリングでは、「相談者と心理カウンセラーがお話しをすることで、相談者が解決の糸口を探すこと」がいちばんの目標となります。
カウンセラーは、相談者の話の中から相談者の強みを引き出していくことで、相談者が自分で解決に向かって歩き出せるようお手伝いをしていく役割をします。
いつ、どんな人がカウンセリングを受けるのか
カウンセリングはいつ、どんな人が受けるものなのでしょうか。
カウンセリングは、深刻に悩んでいるうつ病の人や、精神疾患にかかっている人が受けるもの、とあなたは思っていないでしょうか。
カウンセリングを受けられる場所が病院やクリニックに多いことから、「こころの病気の人がカウンセリングを受けるもの」というイメージをあなたは持たれているのかもしれません。
ですが、実際は
- 小さい困りごとがあったとき
- こころの中にモヤモヤが生じたとき
- こころの中の整理がしたいとき
など、悩みが小さいうちに「予防的に」カウンセリングを受けることがもっとも有効なのです。
体が疲れたときにマッサージを受けるように、こころが少し疲れたときにメンテナンスのつもりでカウンセリングを受けるのが、実はいちばん効果があります。
子育て世代で働き盛りのママやパパは、家の中でも職場でも、疲れを抱えていることでしょう。
疲れが積もり積もって耐えきれなくなる前に、ぜひカウンセリングを受けていただきたいです。
自分のこころを整理し、スッキリさせることで、また子育てや仕事に立ち向かっていけるようになります。
こころの病気にすでになっている人がカウンセリングを受けること、それも必要なことです。
ですが、薬を使う必要のないうちからカウンセリングを受けることで、あなたのモヤモヤや悩みが軽く済みます。
どんなカウンセラーを選べば良いか
カウンセリングには、実際にはどんなカウンセリングがあるのでしょうか。
心理カウンセラーにもいろいろな人がいますが、資格を持ったカウンセラーは、心理学的な知識を持っていて、なんらかの得意な心理療法を持っています。
- 生い立ちから掘り下げて、自分自身を見つめ直す方法
- ただただゆっくりと愚痴も含めた話を聴いてくれる方法
- あなたの思考のクセを見きわめて改善していく方法
- あなたの今までやってきた努力やあなたの持つ強みから、解決法を見出す方法
ほかにも、言葉を使うのが苦手な人にはイメージを使う方法もあります。
あなたに合う心理療法ができるカウンセラーのいるところを調べてカウンセリングを受けることをおすすめします。
それから、どんな相談に強いカウンセラーかも調べておくと良いでしょう。
子育てに強いカウンセラー、仕事の相談に強いカウンセラー、学校での立ち回りに強いカウンセラーなど、いろいろなカウンセラーがいます。
そのカウンセラーの経歴をよく見て、あなたの悩みに合いそうなカウンセラーを選ぶと良いでしょう。
どこに行けばカウンセリングが受けられるのか
カウンセリングが受けられる場所も、今はたくさんあります。
- 医療機関(病院、精神科や心療内科クリニックなど)
- 心理学科のある大学内にあるカウンセリングルーム
- 職場のカウンセリングルーム(外部に併設されている場合もあります)
- 学校内のカウンセリングルーム(スクールカウンセラーがいます)
- 私設のカウンセリングルーム(専門団体、個人)
- オンラインカウンセリング
- メール、チャット、SNSなどのカウンセリング
最近は、オンラインカウンセリングも普及してきて、自宅でインターネットをつないでカウンセリングを受けられる機会も増えてきました。
お子さんが小さい場合は、なかなかお子さんを預けてカウンセリングを受けることも難しいでしょう。
オンラインやメール、SNSなどのカウンセリングでも、十分効果はあります。
反対に、家の中だと気晴らしにならない場合は、カウンセリングルームに出かけて気分転換をするのも良いかもしれませんね。
カウンセリングを受ける前にやっておくこと
あなたがたとえ上手に困りごとをお話しすることができなかったとしても、カウンセラーはあなたが話しやすいように、上手に導いてくれます。
ただ、カウンセリングの時間は決まっていますので、より有効に時間を使うためには、相談者側も少し用意をしておくと良いでしょう。
メモを用意し、
- どんなことを話したいのか
- 話をしてどうなっていきたいのか
をあらかじめ書いておくと話しやすいですね。
また、相談したいのがお子さんの発達についてならば、
- 母子手帳など具体的なデータになるもの
- すでに知能検査などを受けていれば、そのデータ
などを持っていくと、話がスムーズです。
ぜひ、限られた時間を有効に使い、有意義なカウンセリングが受けられると良いですね。
まとめ
以上、カウンセリングについてお話ししました。
大きな悩みをお持ちの方はもちろん、悩みが小さいうちに、予防的な意味も含めて相談に行けると、あなたのこころも軽くなります。
あなたが元気になれば、子育てにも前向きになれて、日々穏やかに過ごすことができますよ。
カウンセリングはあなたの思っているほどハードルの高いところではありません。
ぜひ、何か困ったな、モヤモヤが晴れないな、というときはカウンセリングを受けてみてくださいね。