『【体験談】「産後うつ」ってどんなもの? ー私の場合①ー』で、産後うつ病がどんなものなのか、当時の私の状態を元に解説しました。今回は、専門医の受診や投薬と並行して自分で行ったことを紹介します。
ひとつひとつは小さな取り組みですが、毎日意識して続けると症状の軽減に役立つので、ぜひトライしてみてください。
休息をとる
産後うつ病を改善するためには、何はともあれ休息を取ること!
仕事を持っている人は、休職を検討してみてください。
私もそうでしたが、「収入がなくなる」とか「復職できるのだろうか?」「仕事していないと余計に不安になるのでは?」など心配ごとが色々と湧いてきますよね?
でも、今は疲れ切った心身を癒すことが最優先!
不調を抱えたまま仕事を続けて、より一層辛い状況になったり、治療にもっと長い期間を要することになるより、早めに休職をして療養に専念する方が、長い目で見て自分や自分の家族のためになります。
休職にあたっては経済的な支援制度などもあるので、勤め先の該当部署やお住まい市町村に問い合わせるとよいでしょう。診断書が必要になるので、かかりつけ医に相談することも忘れずに。
ちなみに私は、在職中に休職し、そのまま退職したので、休職時から退職後も引き続き健保の傷病手当を受給していました。
睡眠はしっかりとる
子どもが小さいと夜に起こされることもあり、睡眠が途切れて寝不足になりがちなので、意識して睡眠時間を取るようにしました。
まだまだ元気で眠くないときも、調子良く仕事してても、ちゃんと切り上げて夜はしっかり寝る。これは産後うつ病に限らず、メンタルの状態を整えるために必要なことだと思うので、今でも寝る時間は確保するようにしています。
ノートに頭の中を書き出す
頭の中でぐちゃぐちゃになっていることや心の葛藤を全てノートに書き出しました。
藁にもすがる思いで、溢れる感情をただただわーっと書いてみたのですが、書いているうちにだんだん冷静になってきて、自分の考えを客観視している自分がいるのに気付きました。
「あれ、これは私の ”悪いクセ” かもしれない。」というような思考パターンも見つけ、それを矯正する有効な手法だと気付き、その後もモヤモヤしたときは感情整理を目的に気持ちをノートに書き出すようにしています。
注意すべき点がわかると、考えが落ち込む手前で踏みとどまることができるので、ネガティブ思考になりやすいときなど、産後うつ病ではない方も活用できます。
私がやっていた方法をお教えしますね。
まず、ネガティブな感情が起こったときの状況と、沸き起こった感情を書き込みます。
次に、自分がどうしてそのように感じるのかを深掘りして考えて書き込んでいきます。
誰がこうしてああだった。と、表面的な出来事だけを書き綴るのではなく、一歩踏み込んで、自分の頭の中、感情の動きにも注目するのがポイント。
書いているうちに、気持ちが落ち着いてきて、「こういう考えが根っこにあるから、結果としてこんな感情が起こったのか。」と、モヤモヤしていた心がスッキリします。
心が溢れそうになったとき、ぜひお試しください。
考えない
ノートに自分の気持ちを書き出すことを続けていると「この思考が始まるとよくない」と、わかるようになるので、それ以上落ち込まないよう思考をストップさせます。意識して考えをそらしたり、ソファに横になったり、一番のおすすめは子どもと一緒に寝てしまって考えるのをやめること。目が覚めると、鬱々としていた気分が軽くなっていたり、悩みではなくなっていることもあります。
考え方を変える
アドラーの「課題の分離」を取り入れ、子どもに対する考え方を変えました。
聞いたことがあるかもしれませんが、「自分の課題と他者の課題を切り分ける」考え方です。自分のことは変えることができても他者を変えることはできないので、他者の課題には干渉せず切り分けて考えるというものです。
自分がコントロールできることとできないことを切り分け、できないことをどうにかしようと悩むのをやめてみると、心がずいぶん軽くなりました。
当時、ほぼワンオペだった(今もですが・・・笑)私の頭の中は、
仕事と家事育児、やるべきタスクが山のようにあって、短い時間で効率的にこなさなきゃ終わらない!それなのにこの子は・・・
どうして寝てくれないの?
どうして食べないの?
どうして泣き続けるの?
どうして黙って座ってないの?
と、こんな状況でした。
自分がコントロールできないことを思い通りにしようとひどくイライラし、果てはそんな自分に嫌気がさして落ち込んでいました。
自分のお腹から出てきた子でも、ひとりの人間です。自分自身ではないので思うように動かないのは当たり前。言うことを聞いてほしいという期待は持たずに接するようにしました。
「自分ではコントロールできないから仕方ない」と割り切れると、悩みが減りますよ!
キャリア相談を利用する
自治体の無料キャリア相談を利用して、働き方や仕事と育児の両立について、カウンセラーに何度か相談しました。
思い切って申し込んでよかったと思ったのが、自分の役割とキャパシティーのバランスについて考えた回。私たちは、母、妻、会社員、子どもなど、たくさんの社会的役割を持って生活しています。産前と産後ではそれぞれの役割の割合がどのように変わるかを見える化するというものでした。
結果、産前は仕事に80%前後のリソースが使えても、産後は母業に大半を使うので、仕事には20〜40%しか残っていないということに気付き、「なんだ、それならできなくて当たり前じゃないか」と、納得。ずっと頭を悩ませていた「産前のように仕事ができない問題」も解決、というか悩みではなくなりました。
私が実際に受けたのはこちら▶︎『わかもの・女性就業相談コーナー』
自治体にそういった相談窓口がない場合は、民間のパーソナルキャリアコンサルティングを利用するのもおすすめです。
いろいろ試してみて自分に合った方法を見つけましょう
とはいえ、渦中にいるときは、調べるのも行動に移すのも辛いですよね。
私も何もする気が起こらなかったのですが、通院が始まると少しでも症状が軽い日が出てくるので、そんな日を中心に自分でできることを少しずつ試してみたという感じです。
私の場合、「出産後も産前と同じように仕事に復帰できると思ってたら全然違った。」とか、「思い描いていた育児生活と現実が違った。」とか、いろんなことにギャップを感じ、戸惑い、焦り、不安、いろんな感情が渦になってのしかかっていました。真面目な性格なので「こうあるべき」「ああしなきゃ」という考えも自分を苦しめていました。
そういった自分の思い込みや考えの偏りを、今回紹介した方法で調整することができたと感じています。今でも続けることは続けているので、それが再発予防になっているのかもしれません。
通院や投薬で少し落ち着いてきたなと感じたら、毎日の生活でできることを少しずつ試してみてください。自分に合ったメンタル調整方法を見つけましょう!